院長の健康相談室
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腸内にいる細菌は、菌種ごとに腸の壁にびっしりと張り付いています。
この様子が、お花畑にみえることから「腸内フローラ」と呼ばれるようになりました。
正式には腸内細菌叢(ちょうないさいきんそう)といいます。
腸内細菌は、体内にいる細菌のうち約9割を占めます。その数はおよそ100兆から~1000兆個で、種類は約1,000種類、重さにして約1~2キログラムと言われています。
腸内フローラの形成パターンは、一人ひとり異なります。食生活や生活環境も関係しますが、
赤ちゃんは生まれてくるときに、母親の産道にある菌に接触することで体内に菌を取り込み、腸内細菌として増殖します。
そして腸内フローラの原型は3歳までにつくられるといわれています
腸内フローラを形成している菌は、働きによって3つに分けられています。
1つめは私たちの身体を守る善玉菌
2つめが増えすぎると身体に悪影響がある悪玉菌
3つめは状況によって善玉菌の味方をしたり悪玉菌の味方をしたりする日和見菌です
腸内フローラは、善玉菌:悪玉菌:日和見菌=2:1:7という理想のバランスがあります
また、バランスだけではなく菌種の多様性も重要であることがわかってきています。
腸内フローラをよいバランスで維持するためには、栄養バランスのとれた食事が大切です。
また適度な運動は腸内フローラが活性化するといわれています。
腸内細菌の紹介
ビフィズス菌
酢酸や乳酸、ビタミンB群、ビタミンK、葉酸などを産生する菌です。
母乳栄養の赤ちゃんに腸内に非常に多く、加齢により減少する傾向があります。
長寿菌(長寿の人に多い菌)の1つです。
乳酸産生菌
腸内で乳酸などの有機酸を出し、腸管の運動や食物の消化・吸収が促進され、
有害菌の増殖を抑制することが分かっています。
更に、ヒトの免疫機能を調節する作用などが一部の菌で明らかとなり、
健康に対する乳酸菌の機能についてはますます期待が集まっています。
酪酸産生菌
腸管内の細胞のエネルギー源となることが知られ、
特定の疾患のリスクを低減する可能性などの新たな発見が多数報告されています。
近年、フィーカリバクテリウム・プラウスニッツイとコプロコッカスが、
長寿に関わる菌として新たに注目を集めています。
食事のアドバイス
玄米や雑穀米などの未精製穀物や、緑黄色野菜、果物などの食材を1日1回以上摂ることで、フィーカリバクテリウム属を増やすことが期待できます。
発酵食品と水溶性食物繊維のとれる食事を心がけてみましょう。
発酵食品の中でも、ビフィズス菌を含むヨーグルトや酪酸菌を含むぬか漬けがおすすめです。
ただし、漬物は塩分が高いので、1日小皿1皿分程度を目安にとりすぎには注意してください。
水溶性食物繊維は、大麦やネバネバした食品(めかぶや納豆、長芋など)などに多く含まれています。
毎食、副菜(野菜、海藻、きのこ、こんにゃく)を生の状態で両手1杯分摂ることが理想的です。
熱を加える場合はかさが減るので、片手1杯分が目安量です。